
ニセモノの感情の存在を知る②【交流分析講座-発達障がい】
今回の交流分析講座からのご紹介は前回ご紹介した「ラケット感情」についての続きのお話になります。
今回は、ある状況下で起こったネガティブな感情について、そのネガティブな感情の「真の目的」を探っていくというワークです。
皆さんはネガティブな感情の「真の目的」と聞いて、どんなことを思い浮かべましたか?
「目的」はやはりネガティブなものを思い浮かべた人も、多いのではないでしょうか。
このワークでは、ネガティブな感情のおおもとには、実はとてもポジティブな「思い」があるということに気づくことを目指しています。
私たちの心の底には、自分では意識できていないけど、あるいは当たり前に思っている、こうであったらいいなという理想やこうあって欲しいという願望、またこうあるべきという価値観が存在していて、それに反することが起こると、ネガティブな感情が生まれやすくなります。
このワークで探っていったのは、これら自身の理想・願望・価値観などです。それを見つけ、自覚することでラケット感情に浸りたいという欲求に押し流されることなく、真の目的に向かって建設的に行動を起こせるようになることを、目指しています。
実際に講義を受けていただいた方々からは、怒りや苛立ちや理不尽な思いなどのおおもとがこんなにもポジティブな思いだったことに気づいて、驚きや納得といったご感想をいただきました。
今回、もう一つご紹介したいのが「ドラマ三角形」というゲームと呼ばれるコミュニケーションパターンについてです。
ゲームとは何のことかと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。交流分析でいう、ゲームとは信頼関係をなくさせ、人間関係を悪化させ、ともすると崩壊させるようなコミュニケーションの取り方を言います。
最後にはいや~な感情やネガティブな考えに浸りながら、会話が終わるというものです。このいや~な感情とはもちろんラケット感情のことです。
そして、「ドラマ三角形」とはそのラケット感情を味わうために 3 つの役割で交わされる非建設的な会話のとです。
3つの役割とは「迫害者」「被害者」「救済者」です。この3役は固定化されたものではなく、ぐるぐると役割交代しながら会話が進められていきます。
役割を聞いただけでも、不穏な空気がひしひしと伝わってきたのではないでしょうか。おまけに、会話の終わりには、皆がいや~な気分を味わうのです。こんな会話はやりたくないですよね。でもでも、ゲームはすべて、無意識のうちに始まりそして終了しても、その存在にすらほとんど気づかれないものなのです。
ですので、講座を通じてその存在を知ることで、会話や人とのかかわり方を上手にコントロールしていけるようになれるといいですね。