
服薬とのつきあい方について
みなさん、こんにちは!
今回は服薬についてお伝えします。
TODAYに通われている方も多くの方が数年単位で薬を飲み続けられています。
職員はご利用開始時に皆様のお薬の種類や回数、量などをお伺いしています。
現在は単剤(1種類だけの服薬)治療がガイドラインで示されていますが、場合によっては1日10数種類の薬を服薬されている方もいらっしゃると思います。
精神科で処方される薬は、自分が薬局などで、箱やビンで購入されるお薬と異なり「まだ何錠か残っているけど、何だか調子も良くなってきたのでそろそろ飲むのをやめようかな」という具合に行くことが難しいことが多いのは多くの方が既にご存知かもしれませんね。
毎日決まった時間に時にはいくつもの種類の薬を飲み続けることはとても大変なことだと思います。「もう飲むのが面倒くさいな」、「薬漬けになっているのではないかな」、「薬があっているのか分からない」などと思われることあるかもしれません。また、調子が良くなったな、と思われた時は「今日は飲まなくてもよいのかもしれない」と思われる気持ちも分からなくはありません。
ただ、薬を急に中断してしまうと、多くの精神疾患で再発するリスクが高くなるというのは様々な研究で明らかになっています。
例えば統合失調症の場合、薬を自分の判断で中断や中止してしまった場合再発率は年間約75%と言われています。うつ病では、急性期の時点で効果的であった薬を中断してしまうと、再発のリスクが約2倍となるという研究もあります。また、再発以外の面からも、今の良い調子を整え、将来的な減薬に繋げるために長期的に飲んで頂いているとご判断される先生方もいらっしゃると思います。
もしこうした薬を中断されたい、今飲まれている薬に疑問があるなどや、分からないことがあれば、主治医に相談して頂くのが最善策であると言えます。
受診の時に先生が忙しそうで中々話を切り出せないという場合もあるかもしれません。
今では、皆さんの声をよりよく聞けるように、全ての精神疾患についてではありませんが、医師や当事者や薬剤師や看護師やご家族など、様々な人たちが集まって、分かりやすく薬について一緒に話し合っていけるようなガイドラインも作られていたり、皆さんが受診の時に質問をしやすくしたりできるよう冊子が作られていたりします。
こうしたツールを使いながら、薬との付き合い方について知ることも1つの方法であると言えます。
ここでは2つのツールをご紹介させて頂きます。
・一般社団法人日本神経精神薬理学会「統合失調症薬物治療ガイドライン」
http://asas.or.jp/jsnp/img/csrinfo/szgl_guide.pdf
・NPO法人 日本臨床研究支援ユニット(J-CRSU) 「質問促進パンフレット」
http://www.jpop-voice.jp/schizophrenia/info/20160120_brochure.pdf
就労の側面で言っても、服薬管理はとても重要だと考えています。どのような薬を飲んでいるのか、その薬の種類や効果をご自分で理解して飲んでいるのかどうか、1日の頻度はどのくらいなのか、副作用はあるのか、勤務中に調子が悪くなられたら頓服を飲めばよいのか、
勤務中に災害があったら常備薬を持たれているか確認できるかなど、面接の時に服薬とどのように付き合っているかを聞かれます。
仕事をするとなると、「風邪を引きにくくするために外出から帰ったら手洗いうがいをする」と同じように、服薬管理は自己管理が出来ているかどうか、という視点で見られるからです。
「長期的に就労をすること」を強打者になる事だとしたら、筋トレ等をして基礎体力をつけて頂くことに「セルフケア」があります。私たち就労移行支援事業所でもこの「セルフケア」を基礎体力の部分として重要だと考えています。セルフケアには「食事・清掃・入浴する」「症状管理」、「生活時間の管理」、「金銭管理」、「他者との交流」、「家族との交流」、「健康管理」、「好きなことをして過ごす」、「精神的な拠り所をもつ」、「将来に向けての準備」などがありますが、この中の1つに「服薬管理」があります。
このように、「就労」という視点から見ても、服薬について考えることは不可欠となります。
TODAY吉祥寺でも、カリキュラムの中でお一人お一人、「セルフケア」、「服薬管理」について個別に振り返りをさせて頂いています。また時には通院に同行させて頂き、主治医と薬についてお話させて頂くサポートも行っております